もう2021年も12月に入り、あと残すところ15日となりました。

弊事務所ではIPOマーケットに多く関与する関係上、今年のIPOマーケットに関してサマリーを先んじて公表していきたいと思います。

2021年IPOマーケットの概況

それでは、今年のIPOマーケットがどうだったのか、ラフに見ていきます。

2021年のIPO社数と選択マーケット

2021年は125社の新規上場が予測されています(12月中上場予定会社が全て上場する場合)。

マーケットとしては、変わらずマザーズ選択が多いです。スタートアップマーケットが日本国内で拡大してきている影響(エコシステムの拡充やスタートアップ絶対社数の増加)を引き続き大きく受ける形です。

JQスタンダード16
マザーズ92
マザーズ(外国株)2
第一部6
第二部9

ただ、JQスタンダードが16社と2021年度は比較的多くなっており、中小企業の新規上場も回復傾向にあることが推定されます。

年別時系列で見るIPOマーケット

それではまず、IPO社数を時系列で見ていきます。

2021年の125社(予測)は2010年以降では最大の社数となりました。

水準としては、2000年代前半の社数に匹敵するレベルです。初期のインターネットブームに並ぶ形で、直近のSaaSプレーヤーの拡充が見て取れます。

これからIPOを目指す方へ

IPOはあくまで事業戦略の一部であり、創業者Exit、いわゆる出口戦略、の一つでしかありません。

ただ、その過程で事業運営のブラッシュアップを経たり、上場会社仲間と連携することにより、これまでとは違った目線を持てることで成長につながるという側面があります。自社及び経営者自身のステージを上げるという価値を持ちます。

さらに、IPO目指すことにより、取締役会の拡充が必要になります。コーポレートガバナンスなどの面も当然ありますが、適切な外部役員を招集することができれば役員会の議論が活性化・高度化し事業運営の目線が上がることも間違いありません。

IPOに向けた大きな流れとしては、過去私が経営ハッカーというfreeeさんのblogに寄稿した記事を紹介しておきます。

https://keiei.freee.co.jp/articles/c0400085

ぜひ、年末年始の時間がある際に、経営者の方には現状の延長戦での事業運営だけでなく、IPOを目指した場合に見える自社の姿も想像してみてはいかがでしょうか。